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一応帰省ツーリング2018とか銘打ってみたけど多分二度とバイクでは帰らないでしょう。

いや、楽しかったんですけど。

今年は嫁と休みが合わなかったので、一人で里帰りをしようと思っていたのですが、高速バスの事前予約をうっかりぽっかり忘れていて、じゃ、今年は折角ビラーゴにETCをつけたことだし、この前嫁も淡路島にツーリングに行って、何事もなく帰って来てたし、いっちょバイクで里帰りするか! ふんす! と一念発起してみたわけですよ。

その為にジェッペルのシールドもわざわざ5点留めのやつを買ってきた。

昔3点留めシールドで高速に乗ったとき風圧で飛んでいってしまったのがトラウマ。その時は大阪‐山口高速行にもかかわらず大阪を出る前にすっとんでいったので、兵庫・岡山・広島・山口と実に4県に渡って「顔がぁ! 目がぁ!」とのたうちながら走った記憶が未だに残っている。

これまで大してツーリングにいっていないけども、自分史的にツーリングで辛かった事TOP3に入る出来事だ。

ちなみに1位はダントツで、「合羽も持たずに雨に打たれ凍えきった十津川ツーリング」である! ホント、バイク乗りは免許も財布も何忘れてもいいから雨具だけはツーリングに持っていくべし! 肌寒い時期に雨に打たれたままバイクに乗ってるとホントに死ねる。
 

まあ、そんな訳でいささか雨と風に及び腰だったんですが準備だけは考えられる限りの想定をして出発。一人なので仕事終わりでそのまま旅路。ETCカードも間違いなく入れたし、自分の出来るメンテはバッチリやった愛車での旅程。

そう言えばツーリングに出かける嫁のためにメンテをすることはあっても、自分が出かけるためって久しぶりだな、と思い至る。

基本的には出不精なんですよね、自分は。別に遠くに行きたいとは思わない。

ここではないどこかへ? 世界にはこんな素晴らしい場所がある?  

そんなこと知らなきゃどうでもいいコト、というくらいドコか知らない土地へ行くことに価値を見出さないのですよ。 まあだからこそ今回の実家へ帰省するというのは自分的にも意義があるし、よかったんでしょうね。目的がはっきりしてるから。

ジェッペルに仕込んでいるスピーカーをBGM再生用に使おうとしたのだけども、速度が低いとやかましい、でも80km越えると音楽は聴こえなくなる、というジレンマで、結局使いこなせないまま終わってしまった。フルフェイスだとちがうのかしら?

まあでもね、BGMなんかバックグラウンドで流れてるミュージックですからね、まあ言うたらオマケみたいなもんですよ、と自らを慰めて早々に取り外す。だってただうるさいだけだと疲れるだけで何も楽しくない。そんなこんなでホントは淡路に入ってから楽しめると思っていた音楽も早々に見切りをつけ、ストイックに走りこんでいきますよ。段々と夕暮れていく淡路。片側二車線の道路と整えられた自然の美しさを記憶に焼き付けながら闇に包まれていく。

オートバイはクルマと違い、匂いにも晒される。感性が研ぎ澄まされより敏感になる。


否応なしに感じさせられ、誰もが強制的に詩人にさせられる。人間本来の身体能力ではありえない速度で移動し、土地土地の匂い嗅がされる。そのせいで普通では気づかない日常の匂いを強制的に気づかされ、名文として言語化できなくともなんらかのポエティックな感覚を強制的に体感させられる。

詩人ではない身には麻薬的な快楽に等しい。それと意識してなくても、日本地図に長ーく線が引けるレベルでツーリングを好むライダーはポエティックジャンキーなんじゃないだろうか。

まあなんかよくわからないがとにかくなんらかの感性が刺激されるのである。別に何か創造的なナニかを生み出すことはなくても高等遊民的な心持ちを味わえるのである。



そんな心持ちで国産み神話の中心地である淡路をクルージングし、四国へ渡る。実は淡路から四国へ渡る大鳴門橋が本四架橋の中では最も平均的に風の強い橋らしく、この日も風速9mを観測したらしい。二輪の通行規制は風速10mからかかるのでギリギリ。でも、風向きがよかったのか、そこまでの恐怖は感じなかった。

ついでに言うとよく言われる橋の継ぎ目もそれ単体では特に危ないとは感じなかった。でも多分、雨が降ったり、風が強かったりと、悪条件が重なると一気に恐怖スポットになるんだろうなぁ、という予感は感じた。


四国に入ってからは雨雲の様子を伺いつつ、なんとか降られずに済んだ。幸運。途中高松市街がやたら蒸し暑かったんだが、これが大都会のヒートアイランド現象なのだろうか。少し前に来た台風のせいで高知道の一部が片側交互通行になっていると聞いていたのだが、往路ではたまたまひっかからなかったのか、それとも夜中は無関係だったのか、すんなりと通れた。

そんなこんなを経て実家へ。まー、田園広がる長閑な処なので夜が暗い! バイクのライトじゃ道が見えづらいくらい。


仕事終わり(16時頃?)に出発して23時到着。まあまあ時間かかりましたね。

翌日は所用を済ませがてら町内をぷらぷら走り、暑いが爽やかな(でも暑いが)夏の高知を満喫。



…で、問題は帰りですよ。丁度台風が九州地方を抜けていっていくタイミングと重なってしまって、台風本体は通り過ぎつつあるのだけれど、雨風の影響はいつまで…? という状況でお天気情報とにらめっこ。

こまめに詳しい情報が手軽に見られるようになって最近はすごいね! しかしながら見れば見るほど出発を遅らせてもいいことは何もなさそうだったので、朝食食べて準備して午前中のうちに発つことにした。台風自体はどんどん遠ざかっていくんだけど雨はひどくなることはあっても当分おさまりそうにない。

とにかく通行規制がかかるまえに高知道を抜けてしまって、四国山脈を通過すれば少しは雨足も弱まるんじゃないか、そもそも高知道封鎖されちゃうと帰れなくなるしね。橋も強風で通行禁止にならないだろーねー、という不安も若干あるが今のところそれはなさそう。

そんな訳でとっとと出発。自宅付近は小雨ですんでたが、高速に乗るまでの間にそこそこの降りに見舞われる。なんだよ幸先悪いな。

それでも雨合羽は随分と年期が入っているもののしっかりと雨を防いでくれている。この時点で雨染みしてきてたら途中で風邪ひいてしまいそうなので役立ってくれてホントに助かった。

日中は高知道の片側規制が生きているのか随分と混んでいた。そして通り過ぎる際に横目で見たのだが、山中の高知道は上下線それぞれ1本づつ拵えてあるのだけども、片方がトンネル出口から先の橋脚部分がまるごと崩落してて、道路自体がごっそり無くなっていた。おそろしや。

そこを通り過ぎると交通は順調に流れ出し、間もなく(一旦愛媛県に入ったりしながら)香川県に到着。高速上がってからは割りと小雨で助かっていたが、予想通り瀬戸内側へ抜けるとほぼ止み状態に。でも合羽が脱げるほどじゃないんだな。まだまだこの後雨雲が押し寄せてくる予報。しっかりとファスナー上げて走りますよ(変に首元だけ開けとくとバタついて返って苦しい)。

雨はこれからも降りそうだけど風は一旦落ち着いてそうなので予定変更、瀬戸大橋を渡って早く本州に戻ってしまうことにした。

本四架橋は3本あるうち明石大橋が一番台風など遠くからの風の影響を受けやすいらしいが、瀬戸大橋は他よりも海面からの高さがあるので風があるときは強風になりやすいそうな。

今のところ風が強いという案内は出ていないので大丈夫かな? という見通し、そしてせっかくだから瀬戸大橋も渡ってみたいという気持ちで向かう。

昼間なのもあって瀬戸内の島々が眼下に広がり、中々の景色。高いトコ苦手だからひえー、となるけど美しい風景ではある。このときの最大風速は7m。まあなんとかなった。でもこれ明石大橋とどっちがバイクで渡るのにいいかは何とも言えないね。その時の条件次第としか言いようがないので実際行ってみてあー、よかったね、とかダメだったね、と結果でしか言えない。まあ、規制がかからないうちは無難に渡れるんでしょう、きっと。突風くるかも? と心の準備だけして行くしかないね。

橋長ぇーな、とぼやきながらも本州到着。とりあえずはこれで気象条件で足止め喰らうことはまず無くなった。まだまだ距離あるけど走ってりゃ着くさ。



合羽を着たままなのでサービスエリアの中へ入りにくい。入ってダメじゃないかもだけど混んでいる時期でもあるし、やはりよろしくはないだろう。施設の外でやっているお店でからあげつまんだり、たこ焼き食べたりして乗り切った。お土産なんか見るどころじゃない。

本州に辿り着いたらそれはそれで今度は中国山地に堰き止められた雨雲が山間部を中心にジャンジャン降り注ぐ。この日一番の雨は岡山から兵庫の境目辺りでしたね。

神戸から大阪に入るあたりではもう雨も降る気配はなかったけども、もう今更脱ぐのもね…。と、そのままゴール。

さすがに雨が染み込んできたのか、中で湿気がこもったのかわからないけど合羽を脱いだらなんだかじっとりしていた。ふぇぇ、お風呂おふろ…。




クルマと違って運転していて眠くなりにくいし、雨に降られたとはいっても身体は濡れずに済んだし、コレはコレで終わってしまえば楽しかったんだけど、バイクは後片付けが面倒だよね! 合羽とグローブ、ブーツはお手入れしたけどビラーゴは未だに(8/26現在)洗ってないや!



何事も無く行って帰れて楽しく終われてよかった! それが一番!