RX-8の助手席エアバッグのリコールにかこつけて、またまた平日1日試乗に行ってきました。
それにしてもこのリコール騒ぎでタカタはアメリカでの破産申告を行うとかいう話もあるようですがね、どうなるんでしょうね。
エアバッグ自体も装置自体に有効期限ができて、車検何回かに一回交換する必要ができたりするかもしれませんね。
ま、それはさておき今回試乗させてもらったのはアクセラスポーツ ディーゼル1.5L。
ブラッシュアップされて様々改良され、なかでも最も注目されているのが「Gベクタリングコントロール」という新技術。
エンジン制御でトルクをコントロールして運転を楽にする、ということなのですが解説をあちこち読んでもよくわからない。
乗ってみても殆どわからないということだが、乗ってみないとわからない。わからないかどうかもわからない。
と、いうわけでさっそく乗ってみてGベク(一般にはGVCと略されるようですが)が感じられるか乗ってみましょう!
今回テストコースに選んだのは高野山から龍神スカイラインを登り護摩山スカイタワーで折り返す、標高1200m級の関西圏でも屈指の豪快なワインディング。
特に変わったことをしなくても運転が上手くなったような、助手席に座っていていつもより楽なような、というGベクをテストするにはうってつけのコースかと思われます。
街から峠に向かうまではだるだるとDレンジで走ってみる。ま、特に問題はないです。今時ディーゼルだから、というネガはほぼ何も感じませんね。ディーゼルに臭い、ウルサイ、レスポンスが悪い、というイメージが残ってるのはむしろオッサンの証拠とすらなりつつあります。
勿論、ごく低回転の時ディーゼルらしい音がほのかに聞こえたり、回転数をあげてもパワー感に盛り上がりがなかったりと、それらしい特徴がかすかに残ってはいるんですが、実用エンジンを求めているのなら全く問題ない、と言い切れるでしょう。
もし物足りなければ2.2Lのディーゼルを試してみるのもよいかもしれませんね。トルクフルなディーゼルっぽさを満喫するにはやはり多少排気量に余裕があったほうがよいでしょうから。
山に差し掛かってぐいぐいと登っていきますが、坂道ではレスポンスに不満が。但し、これはエンジンというよりは普段MT車に乗っていてギアの選択がいつでも容易にできるから感じる、あくまで乗り手の問題で、クルマは悪くない、と言ってあげたい。
とにかく普段MTに慣れ親しんでいる我々にはこのままでは走りにくいのでマニュアルモードでギアを選択しながら高野の山道を登って行きます。
そしてGベクを感じようと、色々と普段にないことをやってみますよ。
アクセルとハンドルの切れ角を判断していい感じにトルクを間引いてくれる、という触れ込みを信じてアクセル一定開度を保ったままコーナーに突っ込む。
・・・普通に危ない。
限界にせまるような走りをしてないから(できませんし)、車線を割らずに曲がってはいるけれど、スムーズな運転にはほど遠い。わぁーGベクを感じたぁい~! と、様々にタイミングをずらし、コーナーに突っ込んでみたのですが、そんなことをしていたらヨメが、「酔った・・・」
あら、すみませんね、と意識的に平常の運転に戻す。セオリーにのっとって、コーナーにさしかかる前に確実に減速し、ブレーキを緩やかに抜きつつ、ステアリングで旋回。コーナー出口が見え、アクセルを合わせ始めて、直進できる体勢が整い次第踏み足し、加速する。
やはり我々素人はカーブを曲がる時、減速→旋回→加速の工程を一つずつ確実に行うことがスムースなコーナーリングのコツですね。慣れないクルマならなおさら。「とりあえずマシになった」とのお言葉。
そうしていると、コーナーの脱出の時に前輪(駆動輪)の外側により強いトルク配分(?)を感じた。おかげでFF車的な弱アンダーっぽさなくスムースにラインを抜けていけるようになった。
なんというか、メーカー設定のマイルドなLSDを入れている車両のような穏やかな制御の効き具合で、いい感じにコーナーを脱出してくれた、そんな印象を受けた。
これがGべくたりんぐこんとろーるかぁ・・・? いや、よくわからん。だがまあしかしこのクルマの走らせ方はわかった。わかったところで少しペースを上げる。
ワインディングにはテンポが大切。運転者の技量とクルマの求めるものとの二つのすり合わせによって決まってくるテンポ。
高野のワインディングは見通しもけしてよいわけではないし、意外と交通がある。にもかかわらず、割りにアップテンポを求めてくる。勾配のせいで低速で微妙な加減速を繰り返しながら曲がりくねるのはかえって荷重の安定した時間が短くなってしまうから疲れる、と今考えたのだが、どうだろうか。
なんにせよ、セオリーどうりを意識して、ペースを安定させるとかなり安定した走りになってきた。
家に帰ってから調べたのだが、マツダの開発者の方がGベクタリングは「デジカメの手ブレ補正のようなもの」と言っていたそうなのだが、一度乗った後なら納得。
結局はドライバーがまっとうな操作をすることが安定した走りの大前提であって(そこを制御して仮にアホな走りをしてもまともに近づけてくれるかと思っていた)、それをよりよい形になるようにサポートするための技術である、ということだ。
Gベク機能のON・OFFスイッチとかつけてくれてたら効果がわかりやすくていいのに・・・。とか思っていたのだが、ドライバーがまともに走ろうとする意志、(より楽に走るにはどうすればよいのかということに向ける)意識があって初めてより効果的に生きる機能なので、メーカーがあえてOFFできないようにしている、ということかと思うと、まあ頷ける。
それでもOFFできた方が物好きには嬉しいですが。
直進していて僅かに修正舵をあてた時に若干抵抗のようなものを感じたりしたが、それがそういうものなのか、これがGベクの影響なのか、とかいうことが気になる素人もいるんですよ、世の中には。多分、結構な数いるはず。
難しく考えなくていいよ~、と言われても、「これが、Gベクタリング・・・・・・!?」と、悩んでしまう物好き達が。
ここまでの話だって勿論ただのいち素人が感じた個人の感想でしかないので、そもそも間違っているかもしれないんだが、そういう使い方によってより活きる、ごくごく補助的な機能なのか、ということかと思う。
あー、結局はよくわからないけど、Gベクの話はとりあえずこれで終わりかな?
クルマ自体は比較的低速、制限速度程度、あるいは以下の速度でコーナー中に路面が荒れていたりすると脚廻りだけでいなしきれず、ボディがコーナー内側に一度揺れることが。
速度を上げて、正直には言えないが、ある程度制限を越えた速度域でピタッと安定したコーナーリングを見せてくれた。
まあ、これは定員いっぱいに乗車して、荷物も詰め込んで、というシュチュエーションも前提のクルマだろうから2名乗車の空荷状態では車体が軽すぎたのかもしれませんね?
ただそれを差し引いてもどうせなら鷹揚な動きをするのがわかっているSUV、CX-3なんかの方がいっそ楽しめるかな、という気がします。実際の車高からするとどうにも腰高感があるような気がして、アクセラにあってしかるべきと思われるレベルの安定感に足りてないと感じました。
・・・しかしまぁ、普段のモノサシがRX-8ですからね。いわゆる乗用車とも少し違うので乗用車の感想を書くには感覚が歪んでいるかもしれません。
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