ひょんな話の成り行きで、行ってきましたよ、マツダのニューロードスター。
午前中は我が家のKSR110の制音化を計った後、犬の散歩(?)を兼ねたドライブに回り、夕刻からではあるけれど予約も連絡もせず、ふらっと行ってみました。
もう、試乗希望も落ち着いているだろう。第一平日だし、まあ駄目なら駄目でまたの機会でいいし。と、いういいかげんでディーラーへ寄ってみると、ばっちりあるではないですか。
AT車ですけれど・・・と、普段MTに乗っている我々にやや恐縮気味で試乗車を出してくれた。
いや、別にATでも走っているときの印象により集中して試乗できるのでこれはこれでいいけどね・・・、と思いつつ先ずは助手席に。先に運転をしてもらいつつ説明を聞いてから交代。
・・・いやぁ、でもね、正直ハンドルを自分で握る前、店舗から路面に出るまでの僅かな間にもう既に、ボディの剛性、しっかり感といえばよいのか、シート下から伝わる動きのかっちりさ加減が、「あ、これはよいものだ」と、まだ10mも動いていないうちから滲み出ていたのですよ。
二人乗りだからこそ、重量配分の変化を色々想定しなくていいし、屋根が無いからこそ、フロア下での剛性に自然と力をいれることになる。そこを突き詰めると、こうなります。 と言わんばかりのボディ。
そんなボディに、公道(おそらくS660とは異なり高速道路も含む、法の及ぶおよそ全ての道)でほんの僅かに硬さを感じさせつつも安楽に座れるサスペンション。硬いというよりも芯のある、という表現がよいかもしれない。
パスタで言うところのアルデンテで、絶妙の按配。
アクセルオンで後輪が路面に食らいつく感触や、ステアリングの応答性。それらも非常に気になるし、またそこが魅力的なウリとなっているクルマがあるのも知っている。
でも、ロードスターはまず、いい茹で加減のパスタがあり、そこに上等の具材として他の魅力が添えられている。
トラクション、真後ろからよく掛かります。気持ちいいです。でもドーンと弾き飛ばされるようなスリルではなく、躊躇う気持ちを前向きにしてくれる、さり気ないアドバイスのような後押し。
押し付けがましくない、でもどんな曲がり角がきても晴れやかな気持ちで抜けられる、そんなトラクション。
緩やかなコーナー、タイトな交差点。どこでも気持ちよく曲がることができます。その先にロードスターが進められる道さえあれば。
でもステアリングのクイックさでよく曲がる、というものではなく、心地よい後押しが駆動輪からなされるから、素直なステアリングが心地よい旋回性に結びつく。
素晴らしい動きですね。人間が楽しくドライブすることを追及した時、現状の最適解(の少なくとも一つ)なのではないでしょうか。
そしてそのうえで、今回のAT車なのですが・・・。最近の例に漏れず手動でもシフトチェンジできちゃうんですね。
これがまたMTモード付ATというよりも、気分はシーケンシャルシフトですよ。
まあ、シーケンシャルシフト、実際に触ったことないですけど。
最近のクルマってみんなこうなの!? シフトアップのラグもなく、シフトダウンも上手いことブリッピングもやりながら余裕でこなしてくれる。
僕は自分ではできないのでATの方が上手くなっているのですね。うちのクルマにもブリッピング機能つけたいなぁ・・・。などと思うくらい。
もうこれでいいじゃない。ATだからスポーツカーとして面白みが落ちるということはないですね(勿論、MTの人間がクルマを進めようとしない限り進まないという優れた特性は大いに尊重するべきですが)。
今やAT、MTというよりも2ペダルか3ペダルか、といった様相で、仮にAT限定の方にも何恥じ入ることなくスポーティーカーを楽しむ権利がもたらされる時代が、気がつけばもうこんな所まできていた、というすばらしいミッションでした。
・・・・・・そして話はさらに少しだけ続くのですが、この後話のタネにCX-3も試乗させて頂いたのですが、コイツのATも、ロードスターと同じように、シフトチェンジもでき、急激なシフトダウンにはブリッピングでいなして対応し、流石にロードスターのような「人車一体」感こそないものの、ドライバーの意思についてこようとするのですよ。
CX-3なんていわばちょっとこじんまりとしたSUVですよね? 中道中の中道、中途半端中の中途半端なキャラクターではないですか本来ならば。・・・・・・なんだコイツ?よう動くぞ!
勿論、ロードスターやRX-8などのスポーティーカーや、大パワーを制御して乗りこなす苦労と喜びのあるスポーツカーなんかにはかないません。
が、様々な条件でCX-3を選ぼうとした際にも、「クルマを動かす」という行為の持つ根源的な楽しみは最大限詰め込まれています。ディーゼルだってダルくない。SUV的な重心の高さも、クルマ止めでリアスポイラーを削らないための現実的なセッティング。そして鷹揚に、しかししっかりと地に足のついた感触をドライバーにあたえながらコーナーを抜けていく。
────なのに、
荷物もよく載る。人もゆったりと座れる。ドライバーは適切な(そして結局はそれが一番楽な)乗車姿勢がとることができる。
人生はクルマだけではない。様々な喜び、楽しみ、苦悩、それらを決して大きくはないがそれでもめいっぱい車内に詰め込み、ドライバーと共に抱えて、なおかつクルマで走る楽しみすら与えてくれるCX-3。もしクルマに興味がないとしても、いつしか好きになっているかもしれない、そんな希望を感じさせる一台でした。
既にクルマに関心があって、クルマで気持ちよくなりたい、という方はぜひ一度、ロードスターをお試しください。
午前中は我が家のKSR110の制音化を計った後、犬の散歩(?)を兼ねたドライブに回り、夕刻からではあるけれど予約も連絡もせず、ふらっと行ってみました。
もう、試乗希望も落ち着いているだろう。第一平日だし、まあ駄目なら駄目でまたの機会でいいし。と、いういいかげんでディーラーへ寄ってみると、ばっちりあるではないですか。
AT車ですけれど・・・と、普段MTに乗っている我々にやや恐縮気味で試乗車を出してくれた。
いや、別にATでも走っているときの印象により集中して試乗できるのでこれはこれでいいけどね・・・、と思いつつ先ずは助手席に。先に運転をしてもらいつつ説明を聞いてから交代。
・・・いやぁ、でもね、正直ハンドルを自分で握る前、店舗から路面に出るまでの僅かな間にもう既に、ボディの剛性、しっかり感といえばよいのか、シート下から伝わる動きのかっちりさ加減が、「あ、これはよいものだ」と、まだ10mも動いていないうちから滲み出ていたのですよ。
二人乗りだからこそ、重量配分の変化を色々想定しなくていいし、屋根が無いからこそ、フロア下での剛性に自然と力をいれることになる。そこを突き詰めると、こうなります。 と言わんばかりのボディ。
そんなボディに、公道(おそらくS660とは異なり高速道路も含む、法の及ぶおよそ全ての道)でほんの僅かに硬さを感じさせつつも安楽に座れるサスペンション。硬いというよりも芯のある、という表現がよいかもしれない。
パスタで言うところのアルデンテで、絶妙の按配。
アクセルオンで後輪が路面に食らいつく感触や、ステアリングの応答性。それらも非常に気になるし、またそこが魅力的なウリとなっているクルマがあるのも知っている。
でも、ロードスターはまず、いい茹で加減のパスタがあり、そこに上等の具材として他の魅力が添えられている。
トラクション、真後ろからよく掛かります。気持ちいいです。でもドーンと弾き飛ばされるようなスリルではなく、躊躇う気持ちを前向きにしてくれる、さり気ないアドバイスのような後押し。
押し付けがましくない、でもどんな曲がり角がきても晴れやかな気持ちで抜けられる、そんなトラクション。
緩やかなコーナー、タイトな交差点。どこでも気持ちよく曲がることができます。その先にロードスターが進められる道さえあれば。
でもステアリングのクイックさでよく曲がる、というものではなく、心地よい後押しが駆動輪からなされるから、素直なステアリングが心地よい旋回性に結びつく。
素晴らしい動きですね。人間が楽しくドライブすることを追及した時、現状の最適解(の少なくとも一つ)なのではないでしょうか。
そしてそのうえで、今回のAT車なのですが・・・。最近の例に漏れず手動でもシフトチェンジできちゃうんですね。
これがまたMTモード付ATというよりも、気分はシーケンシャルシフトですよ。
まあ、シーケンシャルシフト、実際に触ったことないですけど。
最近のクルマってみんなこうなの!? シフトアップのラグもなく、シフトダウンも上手いことブリッピングもやりながら余裕でこなしてくれる。
僕は自分ではできないのでATの方が上手くなっているのですね。うちのクルマにもブリッピング機能つけたいなぁ・・・。などと思うくらい。
もうこれでいいじゃない。ATだからスポーツカーとして面白みが落ちるということはないですね(勿論、MTの人間がクルマを進めようとしない限り進まないという優れた特性は大いに尊重するべきですが)。
今やAT、MTというよりも2ペダルか3ペダルか、といった様相で、仮にAT限定の方にも何恥じ入ることなくスポーティーカーを楽しむ権利がもたらされる時代が、気がつけばもうこんな所まできていた、というすばらしいミッションでした。
・・・・・・そして話はさらに少しだけ続くのですが、この後話のタネにCX-3も試乗させて頂いたのですが、コイツのATも、ロードスターと同じように、シフトチェンジもでき、急激なシフトダウンにはブリッピングでいなして対応し、流石にロードスターのような「人車一体」感こそないものの、ドライバーの意思についてこようとするのですよ。
CX-3なんていわばちょっとこじんまりとしたSUVですよね? 中道中の中道、中途半端中の中途半端なキャラクターではないですか本来ならば。・・・・・・なんだコイツ?よう動くぞ!
勿論、ロードスターやRX-8などのスポーティーカーや、大パワーを制御して乗りこなす苦労と喜びのあるスポーツカーなんかにはかないません。
が、様々な条件でCX-3を選ぼうとした際にも、「クルマを動かす」という行為の持つ根源的な楽しみは最大限詰め込まれています。ディーゼルだってダルくない。SUV的な重心の高さも、クルマ止めでリアスポイラーを削らないための現実的なセッティング。そして鷹揚に、しかししっかりと地に足のついた感触をドライバーにあたえながらコーナーを抜けていく。
────なのに、
荷物もよく載る。人もゆったりと座れる。ドライバーは適切な(そして結局はそれが一番楽な)乗車姿勢がとることができる。
人生はクルマだけではない。様々な喜び、楽しみ、苦悩、それらを決して大きくはないがそれでもめいっぱい車内に詰め込み、ドライバーと共に抱えて、なおかつクルマで走る楽しみすら与えてくれるCX-3。もしクルマに興味がないとしても、いつしか好きになっているかもしれない、そんな希望を感じさせる一台でした。
既にクルマに関心があって、クルマで気持ちよくなりたい、という方はぜひ一度、ロードスターをお試しください。